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当ブログは株式会社トミーウォーカー様が運営されるPBW,「TW4:サイキックハーツ」PCのサイドストーリーや、不定期日記などを掲載しています。知らない方は回れ右でお願いします。 なお、掲載されるイラストの使用権はプレイヤーに、著作権は作成したイラストマスター様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカー様が所有します。無断使用はお断りさせていただきます。
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まずい………。

文章のひな形は出来てるのですが、不要な情報を削るのに難航してます。
表現の使い分けとか、見直ししてたらもうキリがない…。

SS、3本くらい予定在りますが、16(水)くらいまで掛りそうです。

灯サイドの”帳”の話は一時置いておいて、先に曜灯関連を2本。

急がねば!!
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うん、曜灯がちょっとずつ歩き始めました。

まずは、”日常を過ごす”とこからスタートです。
学校、クラブ、炊事洗濯、そして”遊び”。

そして、新しい事を少しずつ。
”恋愛”、”闘い”、”願い”、そして、”成長”。

まだまだ心は痛むけど、大切な人に”想い”を伝えられるように。

そして、”自分”に負けない様に。







水面下でのことではありますが、

曜灯、ちょっと前進しました。
思ったよりも真っ直ぐに、着地点に向かえそうです。

”恋”って、いいものなんですね。

父娘揃って、大きく成長するきっかけとなってます。







「「ただいま。」」
それはあたしが弟のひぃ(灯曜・ひかり)と保育園から帰ってきた時の事。
ママが鞄を受け取って着替えを出してくれる。
スモックを脱いで二人で着替える。
「ママ、ひらひら、動きにくいよ?」
あの頃からあたしはスカートが得意じゃなくて、ママに向かって唇を尖らせた。

同年代のみんなと、どこか違うあたし。
ひぃがいつも一緒に居てくれるから、あたしの周りにはたくさんの友だちがいたけど、何かが違う。
面白くなかったのだと思う。
菜園の手入れやお茶の事、料理の事、舞踊の事。
パパとママがやっている事にしか興味がなかったから。
特に、女の子同士の遊びが苦手だった。

おままごと。

〈ふり〉をして遊ぶ意味があたしには分からなかった。
みんな同じ服を着て、同じ様な内容で、毎日同じおままごとをしている。
何も変わり映えのしないそれが、保育所という所が、あたしは嫌いだった。
みんながロボットか何かに見えていたのかもしれない。
人に魅力を感じない、人の事を見ようとしない、あたしは捻くれた子どもだった。

着替えを終えて、パパのいるお店の方に向かう。
結局ママは取り替えてくれなかったからスカートのままだった。
ひぃはママの手伝いをしてから、後で来ると言ってた。
一人でお店に通じる廊下を歩き、ホールに出る。
それは、あたしの変わらない毎日が終わった日になった。


丁度来客があったようで、パパが入り口で接客していた。
和服を着ていて、髪の毛は綺麗な金で、パパより少し背が低い位の人だった。
知り合いだったのか、しばらく話し込んでいた。
そんなパパが、ふとしゃがんでポケットから包み紙を取り出した。
あれにはパパ手製の飴が包まれている。
子ども連れだったのか、飴を渡すパパ。
次にはパパの肩の向うに桜色がピョンピョン跳ねているのが見えた。
立ち上がってお客さんと話し始めるパパの足目掛けて飛びつく。
あたしが飛びついた程度ではビクともしないパパの足越しに、そーっと覗き込む。

そこであたしが見たのは、

輝く様な笑顔と、眩しく感じる様な明るい雰囲気を纏った、
とても可愛い同い年くらいの女の子だった。

「曜灯、お帰り。俺の友達で、輪音だ。」
「初めまして、曜灯ちゃん。実はわたしは曜灯ちゃんにも灯曜くんにも小さい時に会ってるんだけどね。」
見上げた先にはふわりと笑うすごく綺麗な人がいて、あたしは目が離せなくなった。
「大きくなったのね~。あ、そうだ。陽桜、ご挨拶は?」
「は~いっ!」
思わず見惚れていたけど、元気な声が目の前からしてそっちに顔を向ける。
「ひおはひおなのー!よろしくね、よーひちゃん!」
パーッとお日様に照らされる様に心が温かくなる笑顔。
こんなに眩しい女の子を、あたしは見た事がない。
「……たまきようひよ。」
気圧されてぼそりと呟く。
パパにそっと押し出されて女の子の前におずおずと立つ。
「わー、キレイな髪の毛とおめめなの!かわいいー♪」
女の子に手を握られてドキッとする。
「あ、…あの………?」
「なにがすきなのー?いつもなにしてあそんでるのー?おともだちいっぱいいるー?」
勢いに押されるあたし、目の前にはニコニコと眩しい桜色。
「ねー、ひおのおともだちになってくれる?」
あたしはその眩しさに、思わず頷いていた。








『ふふ、そっかぁ。』

『だいじょーぶだよ、よーひちゃん。
なんにも、なーんにも特別な事はする必要、ないの。』
『一緒にお出かけして、同じ目の高さで同じものをみて、綺麗だねって言って。
一緒に、おいしいものを食べて、おいしいね、って言って、笑いあうの。
手をつないでね、隣同士の手のあったかさを感じて、同じ時間を過ごすの。』



『 ――――― ただ、それだけ。 ―――――― 』



やっぱり、誰よりも先に陽桜ネに相談に来た。
あたしにとって、一番身近で信頼している女の子。
いつもあたしの方が”お姉さんみたい”とみんなに言われるけれど、
あたしにとっては紛れもない、”姉”。
どきどきしながらその幼馴染の言葉を待っていた。
実を言うと、自分がこれ程”恋愛”に耐性がなかった事に不安があった。

勇介の言葉を思い出しては熱くなって何も手に付かず、
勇介の顔を思い出しては一人でオロオロしてしまう。

まるで”自分が自分でない”様な感覚。
だから、あたしは自分を落ち着けれる場所を求めていた。
「そ、そんな事でいいのね?
今まで通り、とほぼ同じなのね?」

陽桜ネが言ってくれたアドバイスは、あたしには意外で、
でも、期待通りあたしを落ち着けてくれた。
やっぱり陽桜ネは頼りになる。
それでもちょっと不安はあるから、念押しした。
きっと陽桜ネは、笑って背中を押してくれると信じてるから。

だから、いつものあの笑顔を見たくて俯いていた顔を上げると――――


”そこには自分の知らない陽桜ネの微笑みがあって内心戸惑った。”


ふわりと優しげで、嬉しそうで、懐かしそうで、
そして、
寂しそうな、どこか遠くを見ているような、そんな笑顔で、
いつも通り、今まで通りに、肯定するように頷く陽桜ネ。

あたしの知らない陽桜ネが、この舞台に姿を現したのだった。

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