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『・・・・・・・・・・なさい。
眷属よ、集いなさい。』
頭の片隅で声が響く。
いや、そんなにはっきりしたものじゃない。
聞こえたか聞こえないか、その程度の弱々しいもの。
だけど、
それの発信源は奇妙なほどに確信を持てる。
あたしは気のせいと自分に言い聞かせて走り出す。
陶酔館プロテルヴィアを一度振り返ってから。
走りながら思いを巡らせる。
海将ルナ・リードは灼滅された。
あたしはと言えば、最初の戦場で重傷を負ってサポートするしかなかった。
近くに居るのに、探しに行くことも出来なかった。
原因は分かってる。
気負いすぎてたのが無駄な粘りを生み、撤退するタイミングを見逃したからだ。
自分の力には自信があった。
経験もかなりのものだと思う。
でも、冷静にはなれなかった。
悔しい限りの結末。
あたしは結局、ルナに何もしてあげれなかった無力な友人で終わった。
正直、この戦場に留まる意味をあたしはもう持ってない。
セイレーン灼滅に疑問があるのもある。
こちらの都合で倒すために目覚めさせて、
なにも因縁がない相手を消し去ろうとする。
あたしにはただの”侵略”にしか見えていない。
こんな戦いをこれから学園は続けて行くと思うと怖いと思う。
そんな時に、気のせいかもしれないけど、聞こえてきた女性の声。
”わたし”を呼ぶ声。
それがあたしを今、冷静にさせてくれている。
心の中に問う。
ルナの一件はあたしに何を残したのか。
悔しい、悲しい、寂しい、そう言った感情が渦巻くけど、
あたしは後ろを向いているわけではない。
この経験を消化して、あたしは強くなる。
――――『強くなる?』―――――
もうあたしはルナの事を”過去”にしようとしてる?
今までに助けを求める誰かのために、
これから助けを求める誰かのために。
”迎えて受け入れる”強さを貪欲に求める”あたし”。
あぁ、分かってきた。
あたしは”吸血鬼”なんだ――――。
心の”おり”に囚われて行く。
だけどそれは、
決して怖い事だと感じなかった。
視界が晴れて行く。
体に力がみなぎってくる。
決戦の場にあたしは飛び込んで行く。
『強くなるために。』
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