忍者ブログ
当ブログは株式会社トミーウォーカー様が運営されるPBW,「TW4:サイキックハーツ」PCのサイドストーリーや、不定期日記などを掲載しています。知らない方は回れ右でお願いします。 なお、掲載されるイラストの使用権はプレイヤーに、著作権は作成したイラストマスター様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカー様が所有します。無断使用はお断りさせていただきます。
HOME[PR]SS     『帳』の向こう側:心に灯る闇
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。








『・・・・・・・・・・なさい。
 眷属よ、集いなさい。』

頭の片隅で声が響く。
いや、そんなにはっきりしたものじゃない。
聞こえたか聞こえないか、その程度の弱々しいもの。

だけど、

それの発信源は奇妙なほどに確信を持てる。

あたしは気のせいと自分に言い聞かせて走り出す。
陶酔館プロテルヴィアを一度振り返ってから。





走りながら思いを巡らせる。

海将ルナ・リードは灼滅された。

あたしはと言えば、最初の戦場で重傷を負ってサポートするしかなかった。
近くに居るのに、探しに行くことも出来なかった。

原因は分かってる。
気負いすぎてたのが無駄な粘りを生み、撤退するタイミングを見逃したからだ。
自分の力には自信があった。
経験もかなりのものだと思う。
でも、冷静にはなれなかった。

悔しい限りの結末。
あたしは結局、ルナに何もしてあげれなかった無力な友人で終わった。

正直、この戦場に留まる意味をあたしはもう持ってない。
セイレーン灼滅に疑問があるのもある。
こちらの都合で倒すために目覚めさせて、
なにも因縁がない相手を消し去ろうとする。

あたしにはただの”侵略”にしか見えていない。
こんな戦いをこれから学園は続けて行くと思うと怖いと思う。

そんな時に、気のせいかもしれないけど、聞こえてきた女性の声。
”わたし”を呼ぶ声。
それがあたしを今、冷静にさせてくれている。

心の中に問う。
ルナの一件はあたしに何を残したのか。
悔しい、悲しい、寂しい、そう言った感情が渦巻くけど、
あたしは後ろを向いているわけではない。
この経験を消化して、あたしは強くなる。

――――『強くなる?』―――――

もうあたしはルナの事を”過去”にしようとしてる?
今までに助けを求める誰かのために、
これから助けを求める誰かのために。
”迎えて受け入れる”強さを貪欲に求める”あたし”。

あぁ、分かってきた。
あたしは”吸血鬼”なんだ――――。

心の”おり”に囚われて行く。
だけどそれは、
決して怖い事だと感じなかった。
視界が晴れて行く。
体に力がみなぎってくる。

決戦の場にあたしは飛び込んで行く。
『強くなるために。』
PR
この記事にお返事する
お名前
お題
お色
お手紙
住所
お返事
  Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
宛先:管理人  
プロフィール
HN:
LJ
性別:
非公開
P R
Copyright(c)  紅小花のダイアリー  All Rights Reserved.
Material みるくきゃっと  Template かすぶろ  忍者ブログ [PR]